近所の公園に植っているケヤキの若葉にこぶのようなものを発見しました。
<症状と診断結果>
下の写真のように、ケヤキの若葉の表面に球状のこぶのようなものが付いていました。
よく見ると付いているのではなくて葉が膨らんで袋状になっていました。
下の写真は葉の裏側から撮った写真です。袋の口が閉じているのがわかります。
こぶを葉から切り取り、2つに切り分けて中を観察すると、アブラムシがいました。
ケヤキの若葉にこぶを作るアブラムシ、これはケヤキヒトスジワタムシ(別名:ケヤキフシアブラムシ)でしょう。よく発生する虫のようです。袋状のこぶはケヤキハフクロフシと呼ばれる虫こぶです。
ケヤキヒトスジワタムシによる被害の症状としては、
- 葉の表面に徳利を倒したような形をした袋状物(虫こぶ)が現れる
- 虫こぶを切り開くと長さ1mm前後の小さな虫が詰まっている
- 多い時には1枚の葉に5〜8個の虫こぶができる
- 虫こぶが形成された葉はやがて褐色となり、枯死する
などが挙げられます。
<防除方法>
この被害の防除方法としては、
- 有翅虫が虫こぶから脱出する前(5月)に被害葉を除去する
- 新葉の展葉期に殺虫剤を散布する
があります。
この被害に使用できる殺虫剤は
などがあります。調べたところ、これらのほかに、殺菌剤が含まれる殺虫殺菌剤もいくつかありました。
虫こぶ内の虫を殺虫剤で駆除することは難しいので、虫こぶができる前(新葉が展開を始めた時)に新芽の部分を狙って散布します。
虫こぶの被害は美観を損ねてしましますが、激害でない限り樹が枯死することは少ないので、薬剤の散布は激しい虫こぶ被害が毎年発生する樹にとどめ、小さい樹では被害葉を早期に摘み取流ことによってアブラムシが増殖するのを防ぐようにしましょう。
下の記事もご参照ください。