今回はケヤキヒトスジワタムシについて勉強します。
名前:ケヤキヒトスジワタムシ(Paracolopha morrisoni (Baker))
別名:ケヤキフシアブラムシ
分類:カメムシ目アブラムシ科
加害樹種:ケヤキ
形態:有翅胎生雌虫の体長は約1.9mm。通常、成虫に翅はなく、生息密度が高くなると翅のある個体が現れて、群れの中の一部が別の場所に移動して増殖する。
生活史:樹皮の隙間で卵越冬する。春季、新葉が展開する頃に孵化し、孵化幼虫が新葉の裏面に寄生する。幼虫に吸汁された部分はその刺激によって陥没するように葉の表側にこぶのようにふくれだし(虫こぶ:名前→ケヤキハフクロフシ、長さ→5〜10mm、径→5〜6mm)、入り口は閉鎖される。その時、そこにいた幼虫が虫こぶの中に取り込まれる。幼虫は虫こぶの中で増殖し、6月頃有翅胎生雌虫となって虫こぶから脱出する。脱出した有翅虫はササやタケなどへ移住し、そこで増殖する。そして、秋(10月頃)にはケヤキに戻り樹皮の隙間に両性雌虫を産む。この両性雌虫は体内に卵を持ったまま固着死亡し、卵はその体皮で保護された状態で越冬する。卵翌春には親虫の体皮ははげ落ちて卵が露出する。
被害の特徴:春季、ケヤキの葉表に徳利を倒した形の袋状の虫こぶが形成される。虫こぶの中には体長1mm前後の小さな虫が詰まっている。虫こぶは褐色となり、葉は枯死して美観を損なう。多い時には1枚の葉に5〜8個の虫こぶが付着する。
物理的予防:ケヤキの近くにササやタケを植栽しない。
化学的予防:新葉が展葉する時期に殺虫剤を散布する。虫こぶ内の虫を殺虫剤で駆除することは難しいので、虫こぶができるまでに対処する。虫は新葉が展開する前から新芽の周りで幼虫の状態で待機しているので、新芽が膨らんだ頃に新芽の部分を狙って散布する。
物理的駆除:有翅胎生虫が脱出する前に、被害葉を見つけて除去する。
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