近所の空き地に植えられたサクラの枝にうずら卵のようなものをみつけました。
<症状と診断結果>
うずら卵のようなものが若いサクラの分枝部にくっついていました(長径1.2cm)。
ちぎり取った痕です。
これはどうやらイラガの繭(まゆ)のようです。
家に持ち帰って剪定鋏で割ってみました。硬いです。
中から出てきた黄色いものはイラガの前蛹(まえさなぎ)のようです。
このとげも触ると痛いのかなぁ。
イラガの生活環は以下のとおり。
- 成虫は年に1〜2回、6〜9月に発生する
- 成虫は葉面に1〜2粒ずつ産卵する
- 孵化直後の幼虫は葉に小孔をあけて摂食
- 成長した幼虫は葉縁から摂食するようになる
- 枝に繭を作り、その中で幼虫体で越冬する
<防除方法>
防除方法としては
- 卵・幼虫・繭を見つけて捕殺する
- 幼虫には毒刺毛があるので要注意(直接触れないこと)
- 落葉期、繭は見つけやすい
- 発生初期の小さい幼虫に殺虫剤を散布
などがあります。
使用できる殺虫剤としては
- BT水溶剤(散布)
- DBEDCT液剤(散布)
- エトフェンプロックス乳剤(散布)
- フルベンジアミド水和剤(散布)
- ジノフラテン液剤(樹幹注入)
などがあります(2021年5月2日時点)。なお、さくらんぼなど食用のサクラについては施用前に別途ご確認下さい。
イラガの詳細については下記の記事をご参照ください。