明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
昨年末にブログを開設してから、今回がやっと2つめの記事となります。
記事、なかなか思うように書けませんねぇ。
今回は昨年の夏に発見した、クヌギの幹から排出されているフラスから加害虫を推察しました。
<症状と診断結果>
下の写真のように、クヌギの地際にたくさんのフラスが落ちていました(7月初旬)。
幹からは長い繊維状のフラスが、そして幹には縦割れが見られました。
さらに、1ヶ月後に再び確認すると隣接するコナラの幹に十円玉大のかじり痕が斜めに並んでいました。
これは成虫の脱出孔でしょうか?かなり古そうですね。
私が参照した本にはクヌギやコナラの幹を加害する害虫としてコウモリガ、カシノナガキクイムシ、シロスジカミキリ、カツラマルカイガラムシが載っていましたが、今回の被害はシロスジカミキリによるものと診断しました。
シロスジカミキリの被害症状としては、
- 材部を食害して穿入孔より繊維状の粗い木屑を出す
- 加害された部分の樹皮はこぶ状になって縦に裂ける
- 産卵痕の直径は1~2cm(1円玉程度)で、上に向かって上がっていく
- 傷口から腐朽菌が侵入しやすくなり、衰弱木や風倒木になりやすい
- 成虫は若枝をかじるので枯れ枝が目立つ
が挙げられています。
今回の症状では
- 繊維状の粗い木屑が認められた
- 樹皮に縦に裂けた部分が見られた
- 直径1~2cmの産卵痕が上に向かって上がっていくように残っている
- 枯れ枝は気付かなかった
でした。
シロスジカミキリに間違いないでしょう?
<防除方法>
防除としては
- 成虫は見つけしだい捕殺する
- 新しい産卵痕を見つけたら金づちなどで叩き、羽化する前の卵をつぶす
- 産卵予防としてMEP乳剤(50~100倍)を幹(地上2mぐらいの高さまで)に散布する
などの方法があります。
以上、今回はばっちり診断できたように思います。
シロスジカミキリについては下記の記事もご参照ください。